使用するマテリアルの設定を行う場合は、SketchUpでテクスチャや色、透過を適用することから始めます。SketchUpなら、こうした基本的なマテリアルプロパティを設定、表示できます。

Podiumは、反射や屈折、バンプ、発光といったもっと複雑かつ微妙なプロパティに対応しています。これらの設定はごく簡単です。ただし、先に理解しておくと役立つことがあります。

それは、ダイアログにある拡散、透過、反射とラベルされた3つのメインスライダです。これらは、基本サーフェスプロパティを設定します。この記事はこれらについてもっと詳しく説明しています。

実世界では、マテリアルを認識する方法は光線(技術用語では「光子」)がサーフェスに衝突し、反射して目に届く経路を基にしています。光は実際には、オブジェクトと交差してそのオブジェクトから反射するまで目には見えません。洞窟で懐中電灯を照らすと、目に見えるのは表面で反射された光だけです。サーフェスに衝突した場所に光斑は表示されますが、埃がない、あるいは水蒸気がないと、レーザーのような光のビームは表示されません。明確な光の「ビーム」が見えるのは、光が空気中の粒子を反射していることで生じます。これは、オブジェクトを視覚する能力が反射した光の原則に完全に基づくという基本原理を示しています。

光がサーフェスに衝突すると、エネルギーのいくらかは吸収され、いくらかは反射されます。拡散反射 は、色やテクスチャを認識を可能にするもので、光がオブジェクトに衝突する際にマテリアルサーフェスの真下に浸透して反射されるが、光は「拡散」(さまざまな方向に散乱)される経路を描写します。高度に磨かれたサーフェスでさえ、拡散反射を持ちます。たとえば、磨かれた白い大理石のサーフェスは依然、特定可能な白です。光がサーフェスに衝突すると、サーフェスの色は、サーフェスにより吸収された、あるいは反射された光の波長によって変わります。たとえば、サーフェスが赤色スペクトルの光をより多く吸収する場合、そのサーフェスは色としての赤をあまり表しません。サーフェスが赤の波長をより多く反射する場合、色はより赤くなります。これはそれ自体の複雑なトピック(詳細情報はこちら)ですが、どのサーフェスに対してもいくらかの拡散反射はほぼ常に必要になることを意味します。色の着いたガラスでさえ、色を表示するには、拡散反射の要素が必要になります。

通常、「反射」という言葉で理解することは、厳密に言えば「鏡面反射」で、これは平たいサーフェスを光が跳ね返り、均一の方向に反射される時に起こります。これは容易に理解でき、このスライダの値を上げるほど、マテリアルは環境をもっと反射します。

3つめの要素は、光がサーフェスを通過する透過です。

マテリアルの外観は光とサーフェスの相互作用の経路を基にします。光のいくらかは吸収され、いくらかは通過し、いくらかは反射、拡散され、いくらかは均一方向に反射されます。

Podiumのマテリアルレンダリング方法は、こうした物理的なプロパティを基にしています。ですので、よりリアリスティックなマテリアルがほしい場合、拡散要素や反射と透過に対するバランスを知っておかねばなりません。

ほぼすべてのマテリアルが衝突する光のいくらかを吸収するので、Podiumでは、拡散と透過、反射スライダの合計がダイアログで100%になるようにマテリアルが設定され、レンダーエンジンで使われる実際の合計は95%前後です。また、マテリアルが受ける光以上の光を反射することを意味し、非リアリスティックになるので、スライダの合計を100%以上にすることは不可能です。

たいていのマテリアルで、もっともリアリスティックな外観は、この3つのスライダの合計がほぼ100%である場合に得られます。97%や98%であっても構いません。また、ソリッドで反射しないサーフェス(木材等)は、光のエネルギーの5%以上を吸収するので、拡散スライダを80%に設定しても問題ありません。

要するに、マテリアルを設定する際は、拡散要素を考慮し、事実上すべてのサーフェスに対して値をいくらか設定してください。